万全な新入試対策
さまざまな変化がある難関私大文系入試。
しっかりと丁寧に傾向を分析し、新入試対策も万全!
近年、難関私大文系はその入試方法にさまざまな変化があります。その代表的な例が、文部科学省の新入試改革に伴う大学入学共通テスト(以下共通テスト)の導入や、英検などの英語外部検定試験(以下、外検)を取り入れた入試方式の台頭です。ここでは、「どの大学が」「どのような入試方式に変わり」「どのような対策が必要になるのか」を具体的に解説していきます。
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学習の根幹は同じ
例えば共通テストや難関私大文系の入試問題は問われ方こそ異なる部分がありますが、学習の根幹になる部分は同じです。いずれの科目も基礎項目の暗記と理解を定着させることがベースであり、それをどのように応用させていくかだけの差です。
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基礎なき応用はなし
「夏から対策しないと間に合わない」「大学によって傾向が異なるから早めの対策が必要」といったように、早期の対策を煽るようなフレーズを目にすることがあります。しかし、基礎のない状態から志望校対策を行っても、得られるものはほとんどありません。難関私大対策でも共通テスト対策でも、まずは十分な基礎力を身につけていくことが優先されます。
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具体的な対策は
秋からで十分どの大学を目指すにしても、途中まで積み上げていくものは同じです。繰り返しになりますが、そのベースとなる知識や基本事項の理解がなければ、効率的な志望校対策はできません。具体的な対策は秋以降で十分間に合います。
志望校攻略までに必要な対策
共通テスト対策
従来のセンター試験に代わるものとして、2021年度入試から導入されたテストです。一般入試で共通テストの受験が必須になる大学・学部もあるため、難関私大文系志願者にとっても重要なテストの一つになります。ここでは、増田塾の共通テスト対策について解説していきます。
下の表は、英語を例にとった指導スケジュールになります。増田塾では1学期~夏期の間で受験に必要な基礎を完成させ、2学期より演習を通じて得点力を磨いていきます。共通テストにおいても、まず科目ごとの基礎が仕上がっていなければ、効果的な対策ができません。そのため、一定の応用力が身についていく2学期中盤以降から具体的な対策に取り組んでいきます(例外として、リスニングは筆記とは別の能力も問われますので、早い生徒は1学期から取り組んでいきます)。
英語外部検定試験(外検)
増田塾では英検の実施時期に合わせて、対策講座を開設します(オプション講座)。類似問題などを用いながら、設問ごとの攻略法や試験までに攻略すべき重点項目を指導していきます。一般入試対策の学習とのバランスを取る必要もあるため、過多な対策になりすぎないように、ポイントを絞って得点力を身につけていきます。
早稲田大学の新入試
早稲田大学は、すべての学部で入試方式が変わったわけではありません。政治経済・国際教養・スポーツ科の三つの学部が、共通テストと独自試験を組み合わせた入試方式に変わりました(国際教養学部は、さらに外検スコアによる加点もあります)。これらの学部は共通テストの受験が必須になるだけでなく、独自試験の内容にも従来と比べて変化が見られます。
政治経済学部の受験に必要なテストは、共通テストと独自試験の二つです。共通テストは、通常の難関私大文系カリキュラムで基礎を固めたうえで、2学期中盤以降から具体的な対策を進めていけば十分対応できます。一方で、「独自試験」はグラフなど複数の情報を組み合わせた読解問題、思考力・表現力が問われる記述問題が特徴的です。具体的な対策として、まずデータ読み取り型問題や自由英作文の対策などから進めていきますが、それらの指導にはいずれの科目も基礎が定着していることが不可欠です。したがって、夏期明けの実力テスト(塾内模試)で基礎の完成度を確認し、対策指導のタイミングを生徒と一緒に話し合い決めていきます。
上智大学の新入試
上智大学の一般入試は、TEAPスコア利用型、学部学科試験・共通テスト併用型、共通テスト利用型の3パターンに分かれます。TEAPスコア利用型入試は、TEAPスコアと独自試験の合計点で合否を出す方式です。独自試験に国語・選択科目の2科目のため、他大学同様、従来の文系カリキュラムと過去問演習による学部対策で十分対応することができます。学部学科試験・共通テスト併用型は、共通テストと独自試験の合計点で合否を出します。共通テストの受験が必須になることに加えて、独自試験も学部独自の総合問題・適性テストとなり、従来の入試とは大きく形が変わります。共通テスト利用型は、共通テストの得点単独で合否を出す方式で、上智大学では2021年度から初めて導入した方式となります。
上智大学の受験では、外検スコアを取ることで優位に受験を進めることができます。そこで、通常カリキュラムと並行して、外検対策の受験指導を行います。また、学部独自試験の対策は、原則、2学期からの指導になりますが、他大学に比べて特殊性が強いため、10月時点での成績や学力バランス、志望度合い(第一志望か併願か)などを考慮して、対策指導のタイミングを生徒と話し合いながら決めていきます。
青山学院大学の新入試
青山学院大学では、ほとんどの入試方式が共通テストと独自試験を組み合わせたものになります。また、共通テストの受験が必須になるだけでなく、独自試験に学部独自の総合問題が出題される学部もあるため、特殊な対策が求められる場合もあります。なお、例外としては、全学部日程、文学部英米学科BC方式、経済学部の個別学部日程は、従来同様、独自試験のみの入試方式となります。
共通テスト対策は、通常の難関私大文系カリキュラムで基礎を固めたうえで、2学期中盤以降から具体的な対策を進めていけば十分対応できます。一方、独自試験の一部には、特殊な出題形式が見られます。例えば、教育人間科学部・国際政治経済学部などで出題されるデータ読み取り型問題などです。そのため、10月時点での成績や学力バランス、志望度合い(第一志望か併願か)などを考慮して、対策指導のタイミングを生徒と話し合いながら決めていきます。
立教大学の新入試
立教大学の一般入試は、全学部同一問題で行うものと学部別に問題が異なる個別入試という枠組みでしたが、それが廃止され、一般入試という一つのくくりになりました。新入試方式では、全部で5日間の試験日程が用意され(※1)、自分の受験科目にあった日程を選択することができます。従来は一つの学部につき最大2回(全学部同一問題の入試と学部別個別入試の計2回)までの受験でしたが、入試日程の組み方によっては、それ以上の回数を受験することが可能になりました。
立教大学の英語は、独自の英語試験は課されず、英語の得点を共通テストもしくは外検スコアで補うという入試方式です。上智大学のTEAPスコア利用型入試に近い方式になりますが、上智大学と異なる点は外検を出願資格としていないため、外検未取得者でも共通テストのスコアで代用することができます。なお、学部別の独自試験は国語・選択科目の2科目であるため、他大学同様、従来の文系カリキュラムと過去問演習による学部対策で十分対応することができます。
(※1)文学部は、5日間の試験日程以外に文学部独自の日程が1日設けられているため、最大6日程となります。また、文学部独自の日程では、共通テストや外検のスコアを用いず、英語の独自試験が課されます。