【大学受験】塾・予備校へは行くべき?独学の割合は?塾・予備校に行く理由や具体例を交えて解説!
2022.10.24
今回は、高校1年生や2年生、その保護者様が悩むことの多い「塾・予備校へは行くべきか?」についてお話していきます。
「塾・予備校に行かないと合格は難しい?」
「独学で勉強できるか心配…」
塾に通うかどうかを検討する際に、このような悩みをもたれていませんか?
この記事では塾・予備校で後悔しないように、具体的にどちらの道に進むべきか、先輩の「塾・予備校の経験談」「独学の経験談」をもとに、ご自身の選択のヒントになるようによりリアルなメリット、デメリットも交えて説明いたします。
あなたの状況に合わせて判断できるよう、パターン別に解説していますので、この記事を読んでいただくことで、塾・予備校に行くべきかどうか明確に理解できるようになります。
「周りのみんなが塾や予備校に行ってるし…」
「お金の面が心配で塾や予備校は難しい…」
このような塾・予備校、独学についての不安や心配ごとをクリアにすることが、正しい判断の第一歩です。 今すぐ実践できることや判断材料になる情報を数多くご用意しています。 この記事があなたの受験勉強の助けになれば幸いです。
― 目次 ―
1.そもそも塾・予備校はいくべきか?
1.1 高校生の通塾率
まずは高校生全体における通塾の割合を見てみましょう。 国立青少年教育振興機構が行った調査によると、高校生の塾・予備校への通塾割合は22.9%であり高校3年生に限定すれば、およそ30%の通塾率となります。つまり、7~8割に近い生徒が塾・予備校に通っていないことになります。 (出典):国立青少年教育振興機構|子どもの読書活動と人材育成に関する調査研究
この数値を見る限り「通塾しない方が一般的」と思われますが、実際は異なる部分があります。まず高校卒業時に、「就職」「進学」2つの選択肢があるという点です。 (⇒「進路選択」についてお悩みの方は進路が決まらない人に向けのコチラの記事を参考にしてみて下さい。) 高校卒業後の大学進学率は約54.9%と、全体の半分ほどになります。よって大学受験生に絞れば、塾・予備校に通塾する割合はさらに高くなります。
1.2 偏差値別の通塾率
さらに偏差値ごとに、通塾率に差があるのかを見てみましょう。
ベネッセ教育総合研究所の学習基本調査によると、偏差値45~55の高校生の22.8%が塾・予備校を利用している一方、偏差値が55を超えると約4割の生徒が通塾していることが分かります。 (出典):ベネッセ教育総合研究所|第4回学習基本調査報告書
偏差値55以上は全体の上位3割にあたるので、中堅以上の大学に合格できる学力がある高校生の約4割が塾や予備校を利用していることになります。高校生全体の調査なので受験生・大学合格者の偏差値と通塾率の相関性が正確に反映されているとは言えませんが、少なくとも中上位大学を目指す高校生の4割以上は塾や予備校を利用していることが分かります。次に、塾や予備校に通うメリットやデメリットをご紹介します。
2. 塾・予備校に通うメリット
はじめに塾・予備校に行くメリットをお伝えいたします。
2.1 受験情報や志望校対策について知ることができる
まず塾・予備校の最大のメリットは、最新の受験情報や志望校への対策法を得られるという点です。 昨今の大学受験の仕組みは複雑になってきています。国公立大学や私立大学の受験の違いや、指定校推薦や総合型選抜などのさまざまな入試制度について、学校の情報だけでは不十分であるケースが見受けられます。志望校別の傾向や対策、過去の受験者データに基づいた模試判定の推移などの具体的な情報は、塾や予備校しか持ち合わせていない情報と言えるでしょう。
2.2 勉強に集中できる環境が整っている
塾・予備校の多くに自習室が備わっています。ブース型で静かな場所で、自宅とは違った環境で集中できる人が多いです。また受験情報が載っている書籍や過去問を自由に見たり、必要な資料を購入せずとも塾や予備校内で調達できたりします。
2.3 受験期間中のモチベーション維持
塾・予備校に通塾することで、講師やクラスメイトと、切磋琢磨しながら成績アップを狙うことが可能です。競争する環境でモチベーションを高め、集中力と緊張感を持って勉強できるので、受験に向けてより頑張ることができるでしょう。
3.塾・予備校に通うデメリット
続いては塾・予備校通いのデメリットをお伝えいたします。 デメリットが気にならない方は、最後に紹介している「6.塾・予備校なしでは不安という方は塾を活用しよう 」の記事をご覧いただき、塾探しに大切なポイントを押さえていただけると良いと思います。
3.1 通塾にコストが掛かる
高校生のいるご家庭の塾・予備校の年間平均費用の割合は、文部科学省の学習費調査によると以下の通りになります。
年間費用 | 公立高校 | 私立高校 |
0円 | 62.0% |
62.0% |
1万円未満 | 3.0% | 2.0% |
5万円未満 | 4.0% | 5.0% |
10万円未満 | 3.7% | 4.4% |
20万円未満 | 6.5% | 5.7% |
30万円未満 | 6.8% | 4.5% |
40万円未満 | 4.6% | 3.7% |
40万円以上 | 9.1% | 13.1% |
(出典)文部科学省|平成30年度子供の学習費調査
この数値を見ると、0円を除いて最も割合が高いのは、公立私立共に「40万円以上費用を掛けているご家庭」であり、大学進学を希望する家庭に限定した場合、40万円以上のご家庭の割合はさらに増えると考えられます。
3.2 塾・予備校に頼りがちになり、自発的に勉強できない
塾・予備校に通うことで、相対的に家庭学習の時間は減ることになります。しかし受験勉強の中で、授業の復習や自主的な演習はとても重要になってきます。塾・予備校に通うことで、「家では勉強しなくても大丈夫」とある種の安心感を持ってしまうケースがあるので、塾・予備校と家庭での学習すみ分けができるように意識することが大切です。
3.3 塾・予備校のカリキュラムに縛られる
塾や予備校のカリキュラムに沿って勉強を進める中で、カリキュラムに縛られ過ぎて効率の良い勉強ができない場合があります。例えば苦手科目の克服のために多くの講習授業を取ったことで、復習する時間が取れず、結果的に他の科目の学習にも影響が出てしまうケースなどが挙げられます。 苦手科目や他の科目との学習バランスが重要で、塾や予備校が提示するカリキュラムはあくまで目安であり、きちんと相談する場があるかどうかを見極める必要があります。
4.塾・予備校に通わずに大学受験を乗り越える方法
一方、独学で受験勉強を進めるメリットとして、費用を大きく抑えられる点と、カリキュラムに縛られることなく自身で自由に計画を作成できる点が挙げられます。ここでは塾・予備校に通わずに大学受験に挑戦する方法をいくつかご紹介します。
4.1 通信教育を利用する
独学で勉強を進めると、どうしても分からない問題や、記述式の答案の採点の際にどの程度得点できているかなど「専門性の高い知識」が必要になってくる場合があります。そういった場合は通信教育を利用して自身で解決できない単元の補強に充てるのが良いでしょう。中には受験までのコーチングをしてくれる通信教育もあり、自分に足りない部分のみ利用するのも一つの考え方です。
4.2 参考書を極める
独学で勉強をする際は、志望校合格に適した参考書選びが重要です。参考書を選ぶ際は、自身の学力と難易度がフィットしていること、志望校の入試問題に必要な内容が載っていること、解説が分かりやすいことに着目して参考書や問題集を選びましょう。ただし基礎が完成されていない状態で、がむしゃらに参考書で演習するのは時間効率が悪いのでおすすめしません。苦手単元や、基礎事項が抜けている教科は教科書や一問一答集などを参考にして理解を深めることが先決です。
4.3 高校を活用する
主に進学校の場合ですが、高校によっては大学受験対策の講座などを休暇期間や通常期で開講しているケースがあります。直接先生に大学受験に関する相談をしたり、志望校へ向けた学習アドバイスをもらったりすることで、費用を掛けずに受験勉強を進めることが可能です。また、高校の図書室や休憩スペースなどを利用して自習することで、自宅以外で気分を変えて勉強に取り組むこともできます。
4.4 受験勉強・受験情報ブログを活用する
独学の利点として、自分にあった効率のいい勉強を選択することができるという点が最も大きいです。 自分にとって効率の良い勉強法というのは、自分だけで見つけるのは意外に難しいものです。受験勉強の方法や受験情報が掲載されているブログは世の中に数多く存在するので、そこから自分に合った最善の勉強法、受験情報を継続的に入手することはとても大切です。
5.大学受験を塾・予備校に行かずに乗り切るための5つのポイント
それでは、大学受験を独学で挑戦するためのポイントを5つご紹介します。 どの項目も独学で勉強するための重要な要素になりますので、一つずつチェックしてみてください。
5.1 入試までの効率的な勉強計画を立てる
まずは受験までのスケジュールを逆算して月ごとの目標を決めましょう。例えば「英文法の問題集を3周する」「単語を400個覚える」など具体的なものが良いです。その後、短期目標として、週ごと、1日ごとの学習範囲に落とし込んで決めます。その際、学習したものを復習するタイミングも設けると良いでしょう。
5.2 勉強につまずいた際に質問できる環境をつくる
自分で勉強をしている中で、分からない問題が出てきます。語彙や公式を見直すことで自分で答えを導き出せる場合もありますが、解法そのものが分からない場合は考え続けても時間を浪費するだけになってしまいます。そういった場合、できるだけ早く質問に応対してくれるような知り合い(先生、友人)が身近にいることが重要になってきます。
5.3 モチベーションを切らさない仕組みを作る
独学で勉強を行うにあたり、モチベーションを維持し続ける必要があります。他に独学で勉強している仲間を見つけて、お互いに切磋琢磨し受験を乗り切れる環境を作れると良いでしょう。また、周りにそのような同士がいない場合は、自分の状況を客観的に見ることのできる時間を作ることが大切です。勉強している中で「これは自分には無理だ」と壁に当たりモチベーションを落としてしまうケースはあります。まずは短期的な目標を掲げながら、自分に合ったレベルを着実にクリアしていくように普段から意識することが重要です。
5.4 大手予備校の模試を受験し、実力を正確に把握しておく
独学で学習している中で、自分の現在の実力を測る機会を作るのはとても大切です。模試を受けることで、学習計画を都度見直すことができ、効率よく勉強を進めることができます。また、自分の苦手単元を把握することも可能です。その際、模試で間違えた問題を書き出して、ノートなどにしっかりまとめておくと良いでしょう。
5.5 受験情報を収集し、自分の得意を活かせる受験日程を組む
大学入試では自分の得意科目を活かして受験校のラインナップを組むこともできます。例えば、英語が得意で選択科目が苦手であれば、英語の配点が大きい大学を優先してスケジュールに入れるなどです。受験日程は直前で慌てることのないように、余裕をもって計画するように心掛けましょう。 増田塾チャンネルでは、最新の難関私大入試の耳寄り情報を随時公開しております。理想の受験スケジュールで本番に臨めるように是非参考にしてみてください! (参考)増田塾チャンネル
6. 塾・予備校なしでは不安という方は塾を活用しよう
ここまで塾・予備校を利用せず独学で受験へ臨むためのポイントをお伝えしました。大学受験は塾なしでも十分合格することは可能である一方、計画的に勉強することが苦手な方や志望校の最新の受験情報を知りたい方は、塾・予備校に通いながら大学合格を目指すことをおすすめします。
6.1 塾・予備校を利用する最大の利点とは?
塾・予備校を利用する最大の利点は、志望校合格までの道のりをイメージしやすくなり、合格までに何をすべきかが明確になる点です。例えば苦手科目などによくあるのが、「何が分からないかが分からない」というものです。何からやれば良いか分からず、学習の取り掛かりまでに時間を要してしまいます。
6.2 塾・予備校選びの注意点
もしも塾・予備校に通うことを決めた場合、選ぶにあたって最も注意したいのが「授業形式」になります。 集団・個別・映像授業とさまざまな形態が存在します。以下のメリット・デメリットを参考にしていただき、自分に合った授業形式を選んでいただければ幸いです。
授業形式によるメリット・メリットデメリット
6.3 先輩が塾に通うことにした理由!何のために塾を利用した?
- 高2の3月に塾選びを始め、学校との近さと基礎から教えてもらえるかを基準としていた。(高3春入塾 早稲田・政治経済学部進学)
- 結果にコミットしてくれそうな塾というのが第一条件、かつ私立高校に通っていたため、授業料のリーズナブルさも重要視していました。(高2冬入塾 早稲田・人間科学部進学
- 周りが予備校に入りだし、焦りを覚えて塾を探し始めた。塾選びの基準は、自分に合うかどうかと通いやすさだった。(高3春入塾 上智・地球環境法学部進学)
- 選ぶ時の基準は早稲田大学をはじめとする難関私立大学に現役合格している実績があるかどうか、自習しやすい環境であるか、個人を手厚く見てくれる塾か、信頼できる口コミがあるか、アクセスは良いか、などでした。(高2秋入塾 早稲田・教育学部進学)
アンケートを分析すると「基礎から始められる(自分に合う)」「通いやすい」「苦手単元の克服」「合格のノウハウがある」といったものが、塾に通うきっかけで多く見られました。
6.4 大学受験は塾・予備校なしでは不安…だけど行くべきか迷ってしまったら
ここまで塾・予備校を利用するべきかをお話ししてきました。それでも通塾するか迷われることもあると思います。受験勉強は長期に渡る対策であり、独学でも通塾でも「学習を継続すること」がとても重要な課題となってきます。受験に向けて不安になったり、うまくやっていけるか心配になったりする方は、問題解決のサポーターとして塾・予備校へ通うことをおすすめします。ただし、入塾前にミスマッチを起こさないように、ご自身との相性を良く確かめたうえで効率良く利用するようにしてください。
【まとめ】塾・予備校に行くべきかどうか
◎そもそも塾・予備校へいくべきか?
- 高校生全体の通塾率は約30%
- ただし、中上位大学(偏差値55以上)の大学を目指す高校生は4割以上が通塾している
◎塾・予備校に通うメリット・デメリット
- 最新の受験情報や志望校対策が可能
- 勉強に集中できる環境が整っている
- 受験期間のモチベーションを維持することができる
- ただし、塾・予備校と家庭での学習ですみ分けができるように意識しないと、塾の勉強に満足して自発的な学習が疎かになってしまうので注意が必要
◎塾・予備校に通わずに大学受験を乗り越えるポイント
- 入試までの効率的な勉強計画を立てる
- 勉強につまずいた際に質問できる環境を作る
- モチベーションを切らさない仕組みを作る
- 大手予備校の模試を受験し、実力を正確に把握しておく
◎塾・予備校なしでは不安という方へ
- 自身が効率良く受験学習を進めるうえで何が必要かを考える
- そのうえで塾・予備校のサポートが必要かを検討する
- 「継続的な学習」が実現できるかが重要
今回、塾・予備校に行くべきかどうか、通塾・独学の両方の目線に立って解決方法についてお話しさせていただきました。この記事があなたの塾・予備校選びの一助になれば幸いです。
- 学校では入試の最新情報に不安がある
- 初めての大学受験で失敗したくない
- ごきょうだいで大きく進路が違う
このような悩みを持たれてはいませんか?同じように、お悩みの方からのご相談が増えています。
進路決定は、大学受験とは切っても切り離せません。しかし受験情報は複雑で、進路に悩んでいる状態では十分に調べたり考えたりすることは難しいでしょう。
そのような中でも、受験のプロとご相談いただくことで、現在の成績状況や、今の夢からどのような大学を目指すべきかなど、ご家庭ではなかなか答えの出ない進路や受験についての「現時点での最適解」を導きだすことができます。